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評価が分かれて当然の「DOUBLE-DECADE LIVE」

2004.4.21 TM NETWORK DOUBLE-DECADE NETWORK in YOKOHAMA ARENA
2004.6.25 TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR "NETWORK" FINAL in Nippon Budokan

TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR NETWORK

TM NETWORK20周年を記念して行われたライブ。
この二つのライブについて、様々な比較・評価がされています。

横浜アリーナライブはトランスサウンドを全面的にフィーチャーしたライブ。
日本武道館は歴代サポートメンバーが参加して新旧サウンドが混在したライブ。

武道館ライブを評価する声が多い中、「新しいサウンドを求めるのがTM NETWORKで、懐かしいサウンド中心の武道館でなく、横浜アリーナのようなライブが彼ららしい」という意見も根強くあります。

このギャップはどこから来るのか。
やはり「TM NETWORKの新サウンドはトランス」が、一般リスナーに徹底されなかった事にあると思います。


シングル「NETWORK」

アルバム「NETWORK -Easy Listening-」

いずれも推計実売数25,000枚程度。
横浜アリーナ13,000人、日本武道館8,000人のオーディエンスの中には、新譜を聞かなかった方が多かったと思います。
そしてアルバムを聴いたリスナーの中にも、TM NETWORKがトランスサウンドで披露されることに納得していない層も少なからずいたはずです。

そういったオーディエンスにとっては、トランス一辺倒だった横浜アリーナのライブは「あんなに突き放したライブ」(ライブでの木根さんのコメント)と感じ、一方で懐かし系のサウンドが多かった武道館ライブの評価が高くなる。
それはやむを得ない事だと思います。


で、僕はどう思うか?

はっきり言います。

武道館>横浜アリーナ

です。

正確には

武道館>ホールツアー>横浜アリーナ

です。(ホールツアーの曲順はこちら


それは以下の理由からです。

1.横浜アリーナのドラム音が物足りなかった
 私だけでなく、トランス系やシンセ系サウンドを好む人にも指摘する声が多かった事項です。
 妙に違和感が残る、アレンジになじまない打ち込みのドラム音。
 ステージの近くでは、かつてのサポメンであるドラマー・阿部薫氏がライブの模様を撮影していたのですが、彼をステージに放り込みたい衝動に何度も駆られました。
 それほど「?」の残るライブサウンドでした。

 その違和感はホールツアーで氷解しました。ようやく「いい感じじゃん」と思えるレベルになります。ドラム音の感じがそれだけいい方に違って聞こえたのです。ツアーを通じ、ドラム音だけでなくサウンド音も少しずつレベルアップしています。
 トランス部分だけ比較しても、武道館>横浜アリーナでした。武道館のトランス音は満足できるレベルでした。武道館でのトランスサウンドを横浜アリーナで披露できたら…、と思うことしばしばです。

2.決して「懐かしいサウンド」とは言い切れない武道館ライブ
 武道館ライブはTM NETWORK初期を再現した第一部、TMN時代を再現した第二部、トランスの第三部(二日目のみ、松本孝弘が参加した、CAROL時代のTM NETWORKを再現した第四部)、そして大円団のアンコール、という構成でした。
 その第一部、オープニングの「Get Wild」はこのライブのためのニューアレンジであり、「Be Together」もトランス寄りに大幅に手を加えたアレンジでした。そして「Self Control」に織り込まれたブレイクも新鮮な演出でした。
 第二部でも、トランスバージョンとオリジナルをつなげた「Time To Count Down」や、この日のライブに小室哲哉が書き下ろした「Green Days」初披露、といった新趣向が見られました。
 完全に懐かしかったのは、松本孝弘が登場した「humansystem」「Beyond The Time」の二曲のみ。最後の「Seven Days War」の歴代サポメンがそろい踏みした時のサウンドの厚さは、ある意味新鮮でした。
 一件昔のサウンドに忠実なようで、実は進化しているのがTM NETWORK。それを武道館で示してくれたのです。

3.曲数が少ない
 チケット代7000円前後のアリーナコンサートは、演奏曲20曲超というのが世間の相場。(ちなみにCHAGE & ASKAの25周年ツアーは22曲)
 しかし横浜アリーナはたった16曲。
 …少なすぎ。
 対して武道館最終日は19曲。その曲数差は大きいと思います。

4.「サポメンとのNETWORK」という魅力
 DOUBLE-DECADE LIVEは武道館を除き、三人+葛城哲哉(ギター)だけで披露されました。
 でも、僕は思います。松本孝弘・西村麻聡・山田亘・日詰昭一郎・阿部薫・葛城哲哉・浅倉大介・北島健二らのサポメンの奏でる生演奏の音、これもTM NETWORKの魅力のひとつだと。
 そして随所に流れる小室さんのピアノや木根さんのアコギこそ、TM NETWORKのサウンドをさらに輝かせていると確信しています。
 デジタルなサウンドを基調としつつも、三人とサポメンとのNETWORKによって効果的に生演奏の音が加わり、相乗効果で音が深まる。これがTM NETWORKの神髄だと思います。
 その魅力が爆発したのが、武道館ライブだったのです。

 個人的には横浜アリーナやホールツアーでも、阿部薫さんあたりにドラムを叩いて欲しかったし、出来るなら誰かベースを弾いて欲しかった、そう思っています。それがトランスであっても、「TM NETWORKらしいトランス」と言い切れるものが生まれたと確信できるからです。

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