私は以前より彼女のCDを持っています。

特にドラマ主題歌になった「明日」は大好きです。

機会があったらライブにも行ってみたいアーチストの一人です。

そんな彼女のアルバムのレビューを、「続きを読む」に書くという結果になったのは、つくづく残念です。

From To
The Voice
ODYSSEY
選曲が微妙

「世代と時代を超える至極の名曲」というコンセプトですが、それ故に選曲に統一感が見あたらない。

槇原敬之「Listen To The Music」は裏テーマに「月」がある。
Bank Bandの選曲はメッセージソングが多い。

選曲の際に、こういったテーマ性があった方が、好印象になったはずである。

また「世代と時代を超える至極の名曲」というテーマを掲げながら、この手のカバーでよくありがちな「80年代後半〜90年代前半」の名曲が全然入っていない、という結果。
このコンセプトなら、佐野元春「Someday」、尾崎豊「I LOVE YOU」、ASKA「はじまりはいつも雨」、プリンセスプリンセス「M」、スピッツ「空も飛べるはず」あたりの名曲を収録して欲しかった。

個人的には、渡辺美里「悲しいね」「卒業」、TM NETWORK「Still Love Her」、辛島美登里「サイレント・イヴ」あたりが彼女の雰囲気に合っていると思う。

思い切って、CHAGE & ASKA「終章〜エピローグ〜」「太陽と埃の中で」「めぐり逢い」、鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」、大江千里「ありがとう」、ユニコーン「すばらしい日々」、Sing Like Talking「Spirit of Love」、Mr.Children「君が好き」という選曲もありかもしれない。

それと、いくら名曲だからといって、「いとしのエリー」や「TRUE LOVE」は彼女の雰囲気にあった曲ではない感じがあった上、それを覆すほど納得する出来のトラックではなかった。
サザンなら「真夏の果実」とか「涙のキッス」「TSUNAMI」、藤井フミヤなら「Another Orion」とかが彼女にぴったりという気が…

そしてオフコース「言葉にできない」も、3rdアルバムのこの時点でカバーすべきだったかは相当疑問。
彼女が、この曲をデモテープに入れていたから、という話ではあるが…

福山雅治の場合だが、彼は1989年にオーディションで泉谷しげるの「春夏秋冬」を歌っている。
その後、泉谷との共演をはじめ、何度となく「春夏秋冬」をイベントで歌っていながら、福山がCDトラックにしたのは2000年の「桜坂」のカップリングの時。
実に10年以上大切にして、歌い込んで、満を持しての収録だった。

「言葉にできない」のような強いメッセージソングは、もう少し彼女が歌い込んでからのよかった気がする。

何より「中島みゆきを忘れるな〜」と声を大にして言いたい。
候補曲はたくさんありすぎてあげられない。

曲順が微妙

やはり「名曲を並べました」という感じが拭えない。
特に「言葉にできない」から「いとしのエリー」という曲順が納得いかない。
僕だったら「いとしのエリー」→「言葉にできない」→「桜坂」(今アルバム収録)だろう。

槇原敬之「Listen To The Music」は二作とも、オリジナルアルバムと見まごうばかりの曲順になっている。
おそらく選曲の段階から、曲順まで考えていると思われる。
「Listen To The Music 2」での、オフコース「言葉にできない」→美輪明弘「ヨイトマケの歌」→中島みゆき「ファイト!」と強いメッセージソングを並べ、その後に矢野顕子「ごはんができたよ」で柔らかくそれらを包む、という絶妙の選曲を魅せている。

名曲はあまた。
そしてアルバムは通してきくものだから、その辺の配慮は絶対条件である。

アレンジが微妙

今回は様々なミュージシャン・アーチストにアレンジを依頼しているが、これがアルバムの統一感を損なう結果になっている。

Mr.Childrenの桜井和寿や小林武史が参加するユニット、Bank Bandの「沿志奏逢」は、演奏者が全員同じであるため、楽曲の持つ質感が変わらず、通して聴ける。

せめて佐藤竹善の様に、歌い手自身がアレンジに主体的に関与すべきケースだった。

加えて今回の場合、オリジナル・トラックに忠実なトラックと、アレンジを一新したトラックがあるが、個人的な感想は後者より前者の方が好印象である。

槇原敬之は、松任谷由実「春よ、来い」、中島みゆき「空と君のあいだに」をカバーしするに際し、原曲に忠実なアレンジで臨んだ。

今回は原曲に忠実にカバーすべきケースだったと思われる。

結論:彼女が再びカバーアルバムを作るなら、槇原敬之、あるいは佐藤竹善あたりにプロデュースして欲しい。