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今年の「クリスマスの約束」は、9年前に放送された小田和正個人史と日本の音楽史をシンクロさせた派生番組「風のようにうたが流れていた」に近かったように思う。

日本の音楽史に、そして小田和正の音楽史に欠かせない存在でもある、吉田拓郎と Mr.Children 桜井和寿。
この二人のアーティストに、根本要(STARDUST REVIEW)、スキマスイッチ、水野良樹(いきものがかり)、松たか子、 JUJU といった「クリスマスの約束」を支えてきたアーティスト、そして小田和正の後輩である東北大学混声合唱団という今年の出演者が、その印象を濃くする。

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1曲目が「the flag」というのも象徴的だった。

「the flag」は、2000年のアルバム「個人主義」のタイトルチューン的な存在で、ベストアルバム「自己ベスト2」にも収録されている。
学生運動と隣り合わせの大学生活を送ってきた小田和正の、同世代へのメッセージソングであり、その時代のカリスマ的存在だった吉田拓郎を迎えるのにふさわしい曲でもある。

と同時に、「the flag」の歌詞の内容は、小田和正が1983年頃に実現を試みるも挫折した「日本グラミー賞構想」と、その思いが転化した「クリスマスの約束」を想起させるものがある。
「あの時掲げた 僕らの旗だけが 今も揺れている 時の風の中で」という一節は、「アーティスト同士がお互いを認め、尊敬する音楽賞を作りたい」という思いを抱きつつも挫折した小田和正の姿がダブる。
そして「僕は諦めない 誰か聞いているか 僕はこゝにいる 誰かそばにいるか」は、曲を書いた翌年に「クリスマスの約束」をはじめた小田とシンクロするものがある。

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最初のゲストは吉田拓郎。
フォーク時代の象徴的存在であり、小田と同時代を生きてきたアーティストであり、そして「クリスマスの約束」以前の小田和正を語る上で欠かせない人物。
「クリスマスの約束」初期から関わってきた山本潤子・財津和夫に比べると同番組への関与は薄かった拓郎だが、それは拓郎の病気も含めた、タイミングの問題だったのだろう。
トークはまさに、旧友同士だから出来る、ざっくばらんな会話だった。

「落陽」「今日まで そして明日から」「人生を語らず」という、拓郎を、というより日本のフォークソングを代表する無骨なメッセージソングの中に、恋人のことを歌った「リンゴ」を一緒に演奏するというセンスは、「クリスマスの約束」でしか出来ないラインナップ。
そして、拓郎の歌にも小田和正独特のコーラスワークが加わって、いつもとは少し違う質感の曲になっていくのは、「クリスマスの約束」だけでしか聞けない演奏。
拓郎さん、一年ぶりのステージとは思えない、いや一年ぶりだからか、渾身の4曲だったと思います。

「小田和正に負けたくないですね、こうなったらね」という拓郎さんの最後の言葉は、拓郎さんの次の活躍を期待するものがありました。

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そして拓郎の歌声は、続いて出演する根本要・スキマスイッチ・水野良樹たちのアーティスト心を揺さぶったようである。
それは水野のコメントに現れている。

根本は「クリスマスの約束」の初期から、三人は2009年以降、「クリスマスの約束」を支える存在。
この5人のパフォーマンスは、「クリスマスの約束」の「アーティストが互いに尊敬する」精神を具現化するコーナーであろう。
だからこそ、今年の選曲は忌野清志郎訳詞バージョンの「デイ・ドリーム・ビリーバー」であり、メンバーの曲である「奏(かなで)」と思われる。

ちなみに去年はこのメンバーでいきものがかり「風は吹いている」を演奏している。
ふと、来年はスターダスト・レビューの曲が選ばれるのかな?と思ってしまった。

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そして「クリスマスの約束」10年ぶり登場の桜井和寿。

小田が、ゆず・岩沢厚治の「今の若いアーチストは、みんな彼に憧れて追っかけてるんですよ」というコメント紹介に象徴されるように、1990年代以降のミュージックシーンには欠かせない存在。
それと共に「クリスマスの約束」初期の歴史を語る上で欠かせない存在であり、この番組が小田と桜井を結びつけたのであった。

「クリスマスの約束」は10年ぶりの出演となる桜井ではあったが、「ap bank fes」で交流を深めていた小田と桜井の息はぴったり合っていた。
小田が Mr.Children から選んだラブソング「365日」を演奏することに、桜井が「クリスマスの約束」にふさわしいと賛同したこと。
東北への思いを込めた小田のメッセージソング「その日が来るまで」を一緒に歌ったこと。
「クリスマスの約束」のためのコラボレーション曲「パノラマの街」を作ったこと。
そして締めの曲が、やはり初期「クリスマスの約束」を語る上で欠かせない曲、山下達郎「クリスマス・イブ」だったこと。
いずれも「クリスマスの約束」の歴史を踏まえた桜井と、小田のコンビネーションがなせる選曲だったと思う。

「クリスマスの約束」では2007年以来のオリジナル・コラボ曲となった「パノラマの街」
桜井があっという間に原案の曲が書けたと言うだけあって、桜井さんの色が濃い歌詞。
小田さんの色はアレンジの方で出ていた感じがします。
「君に似た誰か、いくつかの誰かの日常の小さい物語も、世の中には欠かすことの出来ない物語だ、というメッセージを小田さんのメッセージが紡いだ」という桜井の言葉が象徴的な、優しい、視聴者へのエールを込めた曲だった気がします。
二人が曲をコラボレーションするまでのドキュメントも流されましたが、二人の息がぴったりしているのがうかがえるものでした。

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4番目に登場したのは東北大学混声合唱団。
東北大学、そして東北に住む人々に向けて小田和正が書き下ろした、東北大学校友歌「緑の丘」を披露するために登場。
彼らの登場は、今年の小田和正の音楽活動を紹介すると共に、次の世代に託した小田の思いが垣間見られるシーンでもあった。
ここでも楽曲のドキュメント部分がオンエアされましたが、小田の東北や後輩への思いがここでも垣間見られました。

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最後は松たか子・ JUJU と小田和正との共演。
「What the world need now is love」とでは、選曲そのものに一種のメッセージを感じだ。
そして、小田和正の最新曲で、松・ JUJU もコーラスで参加している「やさしい夜」は、静かな余韻を持って「クリスマスの約束」を締めた感触がある。

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小田和正にとって盟友とも言える存在の吉田拓郎。
「クリスマスの約束」を語る上で欠かせない存在、桜井和寿。
そして未来を託す存在である東北大学混声合唱団。

これら3組の楽曲を映えさせるための「クリスマスの約束 2013」だったように思います。

関連記事:

TBS系音楽特番「クリスマスの約束 2013」オンエア曲紹介

小田和正公式サイト「STAFF diary」更新(クリスマスの約束関連)

JUJU が語る「クリスマスの約束」

「クリスマスの約束 2013」関連ツイート・ブログ

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小田和正、母校・東北大学校友歌「緑の丘」制作

小田和正 東北大学で校友歌「緑の丘」披露

小田和正書き下ろし、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」新エンディングテーマ曲タイトルは「やさしい夜」

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小田和正と桜井和寿 (Mr.Children) 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.1〜

小田和正と吉田拓郎 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.2〜

小田和正とクリ約小委員会(根本要・スキマスイッチ・水野良樹) 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.3〜

小田和正と松たか子・ JUJU 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.4〜


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History of 「クリスマスの約束」
Prologue
Prologue 2001
〜きっと君は来ない〜 2001
2002
2003
〜風のようにうたが流れていた〜2004
〜大好きな君に〜2005

「クリスマスの約束2006」ネタバレ的感想

小田和正音楽特番 「クリスマスの約束2007」感想

小田和正音楽特番「クリスマスの約束 2008」感想

「クリスマスの約束 2009」感想
クリスマスの約束2009 収録時セットリスト

「クリスマスの約束 2010」感想
「クリスマスの約束 2010」セットリスト

「クリスマスの約束 2011」感想
クリスマスの約束2011 オンエアセットリスト

「クリスマスの約束 2012」感想
「クリスマスの約束2012」オンエア曲一覧

その日が来るまで/やさしい風が吹いたら
小田和正
アリオラジャパン
2013-04-24

唯一心残りなのは…

吉田拓郎を呼ぶ以上、「今日まで そして明日から」「人生を語らず」を外せなかったのはよくわかる。
ただ「クリスマス・イブ」のように、拓郎と小田和正で第三者の曲を歌って欲しかった気がする。

出来れば二人が共演した「日本をすくえ」で拓郎がカバーした、中島みゆき「ファイト」を。