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中島みゆきが2016年というタイミングでベストアルバムを出すに際し、例えば同年リリースだけでも小田和正「あの日 あの時」や氷室京介「L’EPILOGUE」、T.M.Revolution 「2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-」といったオールタイムベストという手法もあり得た。
これまで数多くの名曲やヒットソングを生み出してきた彼女のオールタイムベストは、十分に一般層への訴求効果が見込まれる。

しかし彼女は、その手法をとらなかった。

今回のベストアルバムは「21世紀ベストセレクションアルバム」と銘打ち、2000年リリースで2003年にオリコンチャート1位を獲得した世紀またぎの「地上の星」「ヘッドライト・テールライト」以降の曲を収録の対象としている。
それ以前の作品は、1996年のベストアルバム「大吟醸」(「時代」「空と君との間に」等収録)、1998年のコンセプト・ベストアルバム「大銀幕」(「糸」「世情」等収録)に任せた格好となっている。
これは「「時代」や「糸」は、オリジナルアルバムか「大吟醸」「大銀幕」で聴いてくれ」というメッセージと思われる。
ちなみに「大銀幕」から「地上の星」までの間の作品は、中島みゆきのライフワークである「夜会」のために書き下ろした曲を収録した「日-WINGS」「月-WINGS」にとどまる。

アルバム収録曲の対象を「地上の星」以降とすることで、中島みゆきは最近の作品にクローズアップさせる効果を狙っている。
その選曲も、タイアップ付でシングルカットされた「帰れない者たちへ」「一期一会」「愛だけを残せ」「荒野より」「恩知らず」を収録しない一方、正義・正しさについて問う「Nobody Is Right」「Why & No」、東日本大震災被災者へのメッセージソング「倒木の敗者復活戦」等のアルバム収録曲を入れている。
つまり、このアルバムは「中島みゆきが今聞いて欲しい曲」によって構成されており、故にベスト「セレクション」アルバムと銘打たれたのだ。

ちなみに提供したアイドルがヒットを飛ばした「泣いてもいいんだよ」「宙船(そらふね)」のセルフカバーバージョンも収録しているが、これらは既にトラックとして存在する。
そもそも「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」と歌った「宙船(そらふね)」、感情を押し殺そうとする人たちへ「全然今なら泣いてもいいんだよ」と歌った「泣いてもいいんだよ」と、いずれもメッセージ性の濃い、みゆき節全開の曲である。

今伝えたいことを優先した、中島みゆき「前途」には、そんな彼女の凜とした姿勢が伺える。

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中島みゆき 21世紀ベストセレクションアルバム「前途」

発売日:2016年11月16日
商品番号:YCCW-10283
定価:2,800円(税抜)

・収録曲
1. 銀の龍の背に乗って
2. 地上の星
3. 泣いてもいいんだよ
4. 常夜灯
5. Nobody Is Right
6. 宙船(そらふね)
7. 倒木の敗者復活戦
8. Why & No
9. India Goose
10. 産声
11. 麦の唄
12. ヘッドライト・テールライト



中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』
中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
2016-11-16