Before:
小田和正 映像作品史 1981-2019 Part.1 〜オフコース「若い広場」「1982・6・30武道館コンサート」「NEXT」〜

小田和正 映像作品史 1981-2019 Part.2 〜オフコース「Movie The Best Year of My Life」「OFF COURSE CONCERT TOUR 1987 as close as possible 1987」〜

小田和正 映像作品史 1981-2019 Part.3 〜「いつか どこかで」「LIFE-SIZE」「緑の街」〜

小田和正 映像作品史 1981-2019 Part.4 〜「K.ODA TOUR 1997-1998 THRU THE WINDOW」「小田和正カウントダウン・ライブ〜ちょっと寒いけどみんなで SAME MOON!!」〜

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2001年、小田和正はTBSから「うたばん」出演オファーを受けるものの、断る。
ただし、テレビでの歌唱を避けていたオフコース時代と違い、小田和正はソロとして1996年と1997年にテレビ朝日系「ニュースステーション」、2000年から2001年にかけてフジテレビ系「LOVE LOVE あいしてる」「SMAP × SMAP」に出演して歌唱、という実績が既に存在していた。また歌唱こそないものの、同じTBSの「ニュース23」など筑紫哲也の番組に、小田和正は出演していた。
そういった背景があってか、あきらめきれなかった「うたばん」スタッフは、かわりに小田に音楽特番の制作を打診する。
これに対し小田は、オフコース活動休止時代の1983年、吉田拓郎とともに設立に動くも挫折した「日本グラミー賞」構想の目的「アーティスト同士がお互いを認め、尊敬すること」を、音楽特番のテーマに掲げることを提案。これにより、小田和正とTBSの音楽番組制作は動き出す。

小田和正は番組で演奏する曲を決めると、その曲を歌うアーティスト7組それぞれに対し、自筆で書いた出演依頼の手紙を送る。
「この曲を一緒に演奏してもらえないだろうか?というお願いの手紙だったのです。これは、あいつがだめだったらこいつという企画ではないし、もし残念ながら、あなたの不参加が決まったら、自分ひとりで演奏するつもりで望んでいます」
その手紙とは別に、小田は親交のあるアーティストや自身が気になるアーチスト達に、楽曲の制作の協力を依頼する自筆の手紙を送る。その手紙に応じたアーティスト(石原千宝美、大江千里、大友康平 (HOUND DOG)、岡本真夜、加藤いづみ、辛島美登里、川村結花、Kiroro、コブクロ、SURFACE、坂崎幸之助 (THE ALFEE)、坂本サトル、佐藤竹善 (Sing Like Talking)、財津和夫、鈴木雅之、スターダスト・レビュー、CHAGE & ASKA、Vlidge、山口由子、山本潤子)と共に、小田は番組のテーマソングとなる楽曲制作に取り組む。

2001年12月5日、東京ベイNKホールで「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」収録。出演依頼した7組のアーチスト(SMAP・福山雅治・サザンオールスターズ・松任谷由実・宇多田ヒカル・Mr Children・山下達郎)は誰も来なかった。だが福山雅治・山下達郎からは手紙が届き、宇多田ヒカルは小田の元にあいさつに訪れていた。
小田和正はアーティストとへの「約束」通り、時にバックバンド・コーラス・ストリングスを従えつつも、一人で7組のアーティストの曲と「呼べば必ず来るからあえて呼ばなかった」泉谷しげるの曲を一人で歌いきった。
その最後に、小田を含めて21組のアーティストによって作られたアカペラ曲「この日のこと」が映像で披露された。

2001年12月25日「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」放送。その内容は当日の演奏だけでなく、打ち合わせ・リハーサル風景を織り込んだ、テレビ特番「キャディ」「日本をすくえ」といった小田和正制作ドキュメンタリー番組の流れを汲む作品となっていた。
「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」は視聴者の反響を呼び、翌2002年に再編集版が放送される。

2002年2月27日、シングル「キラキラ/ I LOVE YOU」リリース。「クリスマスの約束〜きっと君は来ない」でのカバー演奏で得たものを楽曲づくりに込めたという「キラキラ」には、小田和正が自転車で疾走するシーンをメインにしたミュージックビデオが制作される。
同年4月24日、ベストアルバム「自己ベスト」。この時のCMは、小田和正が坂道で自転車をこぎながら、早口のアカペラで収録曲15曲のサビを繋げたメドレーを歌うものとなった。

2002年5月から8月にかけて、ベストアルバム「自己ベスト」リリースと連動する形で「K.ODA TOUR 2002 『Kira Kira』」開催。このツアー以降、センターステージ・花道、そしてメインステージに設けられた観客席・オンステージシートが各会場で設置される。また、ツアー前年にカバーアルバム「LOOKING BACK 2」のキャンペーンとして開かれた「TALK & LIVE」でのアコースティック編成の演奏が、コンサート中盤に取り入れられた。
ツアーのうち石川厚生年金会館公演で収録された映像は、小田和正と笑福亭鶴瓶が共演したNHK総合テレビ「音楽旅人」で使用される。また国立代々木第一競技場でのコンサートのダイジェストが「LIFE-SIZE 2002」に収録される。

2002年12月、「クリスマスの約束 2002」収録・放送。この時も、小田和正とバックバンドのみでの演奏であったが、前回の放送直後に届いた桜井和寿 (Mr.Children) の手紙が披露された。
2003年12月、「クリスマスの約束 2003年」収録・放送。この時はじめて、ゆず・財津和夫・根本要 (STARDUAT REVEU)、そして2年前には出演がかなわなかった桜井和寿がゲストとして招かれる。この時、ゆずと小田和正が共作した曲は2006年11月29日、ゆずおだ「クリスマスの約束」として音源化される。

「クリスマスの約束…きっと君は来ない」「クリスマスの約束 2002」「クリスマスの約束 2003」はDVD-BOXパッケージ化が計画されるも、諸事情で取りやめになる。
映像はしばらくお蔵入り状態となったが、2018年に Paravi で配信されることとなる。





2004年、ゲストの招聘により、「クリスマスの約束」に対して気持ちに一区切りつけていた小田和正に、TBS側は新たな提案をもちかける。
「レギュラー番組をやりませんか?」
様々な検討が行われた結果、日本の音楽史と小田の音楽人生をシンクロさせた音楽番組を作ることになった。

2004年10月3日、小田和正初のレギュラー番組「風のようにうたが流れていた」放送開始。
観客は、アーティストを含めた音楽関係者。彼らに小田が講義するというスタイルでの収録となった。
小田和正のルーツとなる音楽、時代を彩った音楽、そしてオフコース・小田和正自身の音楽が、番組の中で取り上げられた。
各回のテーマにあわせ、島倉千代子、ムッシュかまやつ、山本潤子、財津和夫、鈴木雅之、スターダスト・レビューがゲストとして招かれた。

3ヶ月・全11回放送された番組は、そのダイジェスト版が「クリスマスの約束〜風のようにうたが流れていた〜」として12月25日深夜にオンエアされた。
その中で小田和正は「テレビ出演は今年までで、来年はみんなのところへ行ってツアーをする」とコメントしていた。また、このツアーで一区切りを迎えることを示唆していた。

翌2005年5月25日、シングル「たしかなこと/生まれ来る子供たちのために」と同時に、未放送シーンを加えたDVD-BOX「風のようにうたが流れていた」がリリースされた。

風のようにうたが流れていた(完全版) [Blu-ray]
小田和正
(株)アリオラジャパン
2016-12-21



TBS 「クリスマスの約束」番組情報ページ
https://www.tbs.co.jp/xmas-yakusoku/

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NEXT :小田和正 映像作品史 1981-2019 Part.6 〜「クリスマスの約束」「小田和正コンサート“どーもどーも”その日が来るまで in 東京ドーム」〜

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関連記事:

「クリスマスの約束…きっと君は来ない」「クリスマスの約束 2002」「クリスマスの約束 2003」(小田和正 他出演) Paravi で配信

小田和正「風のようにうたが流れていた DVD-BOX」
(作品紹介)

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History of 「クリスマスの約束」Prologue
(連載:2005年執筆)

History of 「クリスマスの約束」 〜きっと君は来ない〜 2001

History of 「クリスマスの約束」2002

History of 「クリスマスの約束」2003

History of 「クリスマスの約束」〜風のようにうたが流れていた〜2004

小田和正と桜井和寿 (Mr.Children) 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.1〜

自己ベスト
小田和正
BMG JAPAN
2002-04-24


そうかな
小田和正
BMG JAPAN
2005-06-15