2001年12月からはじまったTBS系音楽特番「クリスマスの約束」、その派生番組「風のようにうたが流れていた」から新しい楽曲達が誕生している。


最初に生まれたのは、小田和正が番組のテーマとして書き下ろした「この日のこと」である。
君に出会えたことの喜びを歌った「この日のこと」は、最初の放送「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」(2001年)では、石原千宝美、大江千里、大友康平(HOUND DOG)、岡本真夜、加藤いづみ、辛島美登里、川村結花、Kiroro、コブクロ、SURFACE、坂崎幸之助(THE ALFEE)、坂本サトル、佐藤竹善(Sing Like Talking)、財津和夫、鈴木雅之、スターダスト・レビュー、CHAGE & ASKA、Vlidge、山口由子、山本潤子、そして小田和正が参加したアカペラ曲として録音され、その録音風景をミュージックビデオ仕立てにした映像が番組の中で流された。
翌2002年の「クリスマスの約束 2002」では小田和正によるピアノ弾き語りで披露され、「クリスマスの約束 2003」では「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」の音源が再度放送された。

2004年以降、「この日のこと」は一時、番組で演奏されなくなる。
しかし2009年の「クリスマスの約束 2009」において、出演アーチスト全員で、出演アーティストの曲をつなげたメドレー「22'50"」を歌うこととなるが、そのメドレーの冒頭に「この日のこと」が起用された。
「クリスマスの約束 2011」でも参加アーティストによるメドレー「28'58"」が演奏されるが、その冒頭と最後に「この日のこと」が歌われた。
また「クリスマスの約束 2014」はこれまでの映像の再編集が中心となったが、「この日のこと」が再編集のテーマとなった。

一方で、「この日のこと」はCD化や音源配信は行われていない。
但し2018年に「クリスマスの約束〜きっと君は来ない〜」「クリスマスの約束 2002」「クリスマスの約束 2003」がParaviで配信開始されたことで、放送当時の「この日のこと」を誰でも聞くことが出来るようになった。

2019年、「クリスマスの約束」出演経験のある清水翔太が、カバーした「この日のこと」をツイッターで公開。
これがきっかけになって、「クリスマスの約束 2019」に清水翔太が招聘され、小田和正や他の出演者と共に「この日のこと」を披露している。
なお「クリスマスの約束 2019」はParaviで配信されている。









2003年、「クリスマスの約束 2003」にはゲストとして、ゆず、財津和夫、根本要(スターダスト・レビュー)、桜井和寿(Mr.Children)が呼ばれる。
そのリハーサルで、小田和正はゆずにコラボレーションによる新曲作りを提案。三人によって作られた「君」へのささやかなクリスマス・メッセージを込めた新曲は、ゆずによって「クリスマスの約束」と名付けられた。
「クリスマスの約束」は「クリスマスの約束 2003」の他に、2005年の小田和正のコンサート(「大好きな君に」日本武道館公演)に、ゆずがゲスト出演して披露されている。
そして2006年、「クリスマスの約束」は「ゆずおだ」名義でシングルリリースされる。その年のゆず「冬至の日ライブ」に小田和正がゲスト出演、「クリスマスの約束」を共演している。

クリスマスの約束(期間限定生産)
ゆずおだ
SENHA&Co.
2006-11-29




2004年、ゲストを迎えた「クリスマスの約束 2003」制作で気持ちを一区切りつけていた小田和正に、TBSは小田の私的音楽史をコンセプトとした音楽番組の制作を提案する。
同年10月から12月にかけて、このコンセプトをもとにした「風のようにうたが流れていた」が放送される。その番組のテーマソングとして「風のようにうたが流れていた」が制作された。小田和正の音楽への想いを歌詞に込めた「風のようにうたが流れていた」は、番組においては小田和正のピアノ弾き語りを軸に演奏された。
「風のようにうたが流れていた」は、翌2005年リリースの小田和正オリジナルアルバム「そうかな」、2016年のベストアルバム「あの日 あの時」に収録される。

2019年3月、制作見送りとなった「クリスマスの約束 2018」に代わる番組として「風のようにうたが流れていた」が制作される。「風のようにうたが流れていた」はこのテーマソングとして起用され、番組の最後には出演者全員で歌っている。この番組はParaviで配信されている。
同年の小田和正ツアー「ENCORE!! ENCORE!!」ではアンコールの1曲目に「風のようにうたが流れていた」が歌われ、このツアーを収録した Blu-ray・DVD 「Kazumasa Oda Tour 2019 ENCORE!! ENCORE!! in さいたまスーパーアリーナ」にも収録されている。

そうかな
小田和正
BMG JAPAN
2005-06-15




2006年「クリスマスの約束 2006」では、スキマスイッチと小田和正によるコラボレーション作品「僕らなら」が披露される。
ラブソング「僕らなら」は「クリスマスの約束 2006」披露後、10年ほどお蔵入り状態となる。
2016年、スキマスイッチが様々なアーティストとコラボレーションするアルバムを企画し、小田和正に参加を打診した際、小田から「僕らなら」のリメイクが提案される。
リメイクされた「僕らなら」は「君のとなり」と改題され、「クリスマスの約束」レギュラーでもある松たか子も参加した音源が、コラボレーションアルバム「re:Action」に「君のとなり produced by 小田和正」名義で収録され、2017年にリリースされる。

re:Action(初回生産限定盤)
スキマスイッチ
アリオラジャパン
2017-02-15






「クリスマスの約束 2006」では、「この日のこと」に代わるテーマソングとして、小田和正書き下ろし「東京の空」も初披露された。
当初、小田は「僕らの街で」をテーマソングとして用意していた。その頃、小田にKAT-TUNへの楽曲提供の打診があり、小田は「僕らの街で」を提供した。小田は、KAT-TUNが歌うことでの相乗効果を狙っていたが、このことを知ったTBSは「番組独自の曲が欲しい」とリクエストがあり、「東京の空」が制作された。

東京の空を見上げながら、君の住む街を想うバラード「東京の空」は2008年の小田和正のツアー「今日も どこかで」「きっとまたいつか♪今日も どこかで FINAL♪」や「クリスマスの約束 2008」での演奏を経て、2011年のオリジナルアルバム「どーも」に収録される。
また、フジテレビ系列木曜劇場「それでも、生きてゆく」(2011年)主題歌、TBS ドキュメンタリー番組「東京の空」(2019年〜)テーマソングとして、「東京の空」は起用されている。
2012年リリースの Blu-ray・DVD 「小田和正コンサート "どーもどーも"その日が来るまでin東京ドーム」や、2016年のベストアルバム「あの日 あの時」にも「東京の空」は収録されている。

どーも
小田和正
螢▲螢ラジャパン
2011-04-20






2007年「クリスマスの約束 2007」では、さだまさしと小田和正とのコラボレーション「たとえば」、矢井田瞳と小田和正とのコラボレーション「恋バス」が披露された。

恋人の元へ向かう女性の心情を歌った「恋バス」は翌2008年3月、矢井田瞳のアルバム「colorhythm」に「恋バス〜colorhythm ver.〜」として収録。同年12月には「矢井田瞳 & 恋バスBAND with 小田和正」名義で「恋バス」はシングルリリースされた。
2009年の矢井田瞳のベストアルバム「THE BEST OF HITOMI YAIDA」にも収録されている。

恋バス
矢井田瞳&恋バスBAND with 小田和正
青空レコード
2008-12-03




一方、昔と未来の自分へのメッセージを込めた、さだまさしとのコラボレーション曲「たとえば」は、「クリスマスの約束 2007」披露後、しばらくお蔵入り状態となる。
2020年、さだまさしはニューアルバム「存在理由〜Raison d'etre〜」に「たとえば」を収録する。このアルバムに収録された「たとえば」は、「クリスマスの約束 2007」の音源を小田和正がリマスタリング、更にさだまさし側がアルバム収録のために再度リマスタリングしたものである。

存在理由~Raison d'etre~
さだまさし
ビクターエンタテインメント
2020-05-20




2013年「クリスマスの約束 2013」では、桜井和寿(Mr.Children)と小田和正のコラボレーション曲「パノラマの街」が披露される。
この曲は音源化されていないが、コラボレーション時に桜井が制作したデモテープを元に、彼が新たに制作された曲「街の風景」が、2015年リリースの Mr.Children オリジナルアルバム「REFLECTION」の完全限定生産盤「REFLECTION {Naked}」に収録される。

REFLECTION{Naked}完全限定生産盤(CD+DVD+USB)
Mr.Children
トイズファクトリー
2015-06-04




2009年「クリスマスの約束 2009」でのメドレー制作に際し、小田和正はメドレー制作の検討チームとして、根本要(スターダスト・レビュー)、スキマスイッチ、水野良樹(いきものがかり)を招聘する。この5人による検討チームは「クリ約小委員会」と呼ばれることになる。
「クリスマスの約束 2011」からは、番組でこの5人の演奏が披露されるようになる。この時点では、この5人は「小委員会バンド」と呼ばれている。
2015年、小委員会バンドは「委員会バンド」として福岡・広島・新潟の音楽フェスティバルに参加する。その際に、水野良樹がメインになって新曲「約束」が制作される。
「約束」は「クリスマスの約束 2015」ではフェスでの演奏風景がオンエアされた後、「クリスマスの約束 2016」では歌詞が新たに加わったバージョンが披露される。
更に「クリスマスの約束 2019」では、新曲「愛を何度も」が披露されている。
なお「約束」「愛を何度も」は、2020年5月現在、CD化や配信は行われていない。

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関連記事:

さだまさし インタビュー(小田和正とのコラボレーション楽曲「たとえば」収録ニューアルバム「存在理由〜Raison d'etre〜」(本日 5/20 発売)関連)

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小田和正作品「この日のこと」〜「クリスマスの約束」史〜
(楽曲紹介/2018年執筆)

清水翔太 小田和正作品「この日のこと」カバー公開

ゆずおだ 「クリスマスの約束」
(楽曲紹介)

スキマスイッチ アルバム「スキマスイッチ」「re:Action」(小田和正参加) シングル「全力少年 produced by 奥田民生」ハイレゾ配信開始

小田和正「風のようにうたが流れていた」
(楽曲紹介/2019年執筆)

矢井田 瞳 & 恋バスBAND with 小田和正 「恋バス」
(楽曲紹介)

TBS系音楽特番「クリスマスの約束 2013」オンエア曲紹介

「クリスマスの約束 2013」感想

小田和正とクリ約小委員会(根本要・スキマスイッチ・水野良樹) 〜クリスマスの約束2013前史 Vol.3〜

「クリスマスの約束 2016」(小田和正・宇多田ヒカル・スキマスイッチほか出演)演奏曲

「クリスマスの約束 2016」感想

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「クリスマスの約束…きっと君は来ない」「クリスマスの約束 2002」「クリスマスの約束 2003」(小田和正 他出演) Paravi で配信

TBS 小田和正音楽特番「風のようにうたが流れていた」特別版 4/5 より Paravi で独占配信

「クリスマスの約束 2019」(小田和正・スキマスイッチ 他出演) Paravi で配信中

小田和正 映像作品史 1981-2019

風のようにうたが流れていた(完全版) [Blu-ray]
小田和正
(株)アリオラジャパン
2016-12-21


あの日あの時
小田和正
アリオラジャパン
2016-04-20