GREEN DAYS 〜緑の日々〜

小田和正・TM NETWORK・OFF COURSEをはじめ、音楽を中心に色々語るブログ。 Written by SHIN

ひとりで生きてゆければ

「自己ベスト・2」収録曲から見える、小田和正の心境の変化〜「ひとりで生きてゆければ」「生まれ来る子供たちのために」「the flag」〜

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小田和正 「自己ベスト・2」発売時の記事(→こちら←)にも簡単に触れた事ではあるが、livedoor Blog での歌詞掲載許諾を踏まえ、具体的に掘り下げてみたい。

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小田和正が2007年にリリースしたベストアルバム「自己ベスト・2」
2002年にリリースした「自己ベスト」の第二弾として、オフコース時代のセルフカバー曲から最新曲までの幅広い楽曲からこのベストアルバムに収録された15曲の中に、小田和正の心境の変化を表す3曲がある。

「ひとりで生きてゆければ」(歌詞全文)

「生まれ来る子供たちのために」(歌詞全文)

「the flag」(歌詞全文)

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「ひとりで生きてゆければ」は1976年にリリースされたオフコースのシングル曲で、同年のアルバム「SONG IS LOVE」 に収録されている。
のちに1997年、シングル小田和正の「遠い海辺」のカップリング曲としてセルフカバーされた。

サビで「あゝ ありふれた 倖せに 背を向ける 勇気が欲しい」「ひとりで生きてゆければ」と歌い、最後に「立ち止まる このひとときも 友はまたひとり 消えてゆくだろう」と締める、切ない曲である。

この曲をリリースする直前、小田和正は早稲田大学大学院の修士課程を修了する。
1969年のデビュー以来、小田和正は建築を学びながら音楽活動をしていた。
しかし修士課程修了に際し、彼は「建築への決別」へと題した卒業論文を書き上げ、音楽活動一本へと絞り込む。
そして同年、事務所を独立して「オフコース・カンパニー」を立ち上げる。

この曲は友人達とは違う、ミュージシャンという道を選んだ、小田の不安が顕れた心象風景のようにも感じられる。

SONG IS LOVESONG IS LOVE
オフコース



「生まれ来る子供たちのために」は1979年、オフコースのアルバム「Three and Two」に収録、翌年にはシングルカットされた。
当時のオフコースとしては珍しいメッセージソングであった。
1999年には国連難民高等弁務官(UNHCR)のCM向けにセルフカバーされ、2005年にシングル「たしかなこと」のカップリングとして収録された。

小田は「このままだと日本はどうなってしまうのだろうか?」という思いを抱きながら、このメッセージソングを書き上げたという。
自分たちの置かれた環境を憂いながらも、「生まれ来る子供たちのために何を語ろう」「ひとり またひとり 友は集まるだろう」「力の続く限り 二人でも漕いでゆく」と歌うところに、「ひとりで生きてゆければ」とは違う、小田和正の心境の変化が読み取れる。

収録アルバム「Three and Two」のタイトルは、小田和正・鈴木康博だったオフコースに、バックバンドのメンバーだった松尾一彦・清水仁・大間ジローが加わったことを示している。
そういった環境の変化も、歌詞の中に顕れているのかもしれない。

Three and TwoThree and Two
オフコース



「the flag」は2000年リリースの小田和正のアルバム「個人主義」に収録された曲である。
小田和正が6年半ぶりにリリースしたこのオリジナルアルバムは、「小田和正=ラブソングの名手」というパブリックイメージを自ら打ち破るような、小田自身の思いや問題意識が曲に顕れたアルバムである。

その中でも「the flag」は、旗を想起させるアルバムジャケットから、このアルバムの核、実質的なタイトルチューンと見られる曲である。(ちなみに「個人主義」とタイトルされた曲は収録されていない。)
学生運動が盛んだった時代を大学生として過ごした小田の体験が、ストレートに曲に反映された、自分の同世代へ向けたメッセージソングである。

「自由な翼を僕らはたたんで 二度とそこから飛び立つ事はなかった」「やがていつの日か この国の全てを 僕らが この手で 変えてゆくんだったよね」と夢破れた現状を歌いつつも、「こゝから 行くべき その道はどこかと 出来るなら もう一度 探さないか」と問いかけるところは、「生まれ来る子供たちのために 何を語ろう」よりも一歩踏み込んだ積極性を感じる。
そして「僕は諦めない 誰か聞いているか 僕はこゝにいる 誰かそばにいるか」は、仲間達に呼びかける心境を顕したものと言える。

このアルバムを出した翌年、「良い音楽を取り上げていく」という趣旨のもとにテレビ特番「クリスマスの約束」がはじまり、年を経るにつれ賛同するミュージシャンが増えてきた事実と、この歌詞が重なるところは、非常に興味深いものがある。

個人主義個人主義
小田和正



関連記事:

オフコース・小田和正 「ひとりで生きてゆければ」

生まれ来る子供たちのために

小田和正「the flag」(アルバム「個人主義」収録)

小田和正 「自己ベスト・2」

自己ベスト-2自己ベスト-2
小田和正

(2007-11-28)
販売元:Amazon.co.jp
1. こころ
2. ひとりで生きてゆければ
3. 生まれ来る子供たちのために
4. 愛の中へ
5. たそがれ
6. 君住む街へ
7. 恋は大騒ぎ
8. いつかどこかで
9. そのままの君が好き
10. こんな日だったね
11. the flag
12. まっ白
13. たしかなこと
14. 大好きな君に
15. ダイジョウブ

オフコース・小田和正 「ひとりで生きてゆければ」

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1976年にリリースしたシングルで、同年発売のアルバム「Song is Love」にも収録。
タイトルから想起される通り、切ない歌詞のバラード。
なおこの曲では、のちにオフコースのメンバーとなるドラマー・大間ジローがレコーディングに初参加している。

この1976年は、オフコースにとって転機の年となる。
オフコースがそれまで所属していた「サブ・ミュージック」を独立して事務所「オフコース・カンパニー設立」
また大間の他、後にオフコースのメンバーとなる清水仁・松尾一彦がライブやレコーディングに参加しはじめた年でもある。

そして、この曲を作った小田和正はこの年、「建築への決別」と題した論文を締めくくりとして、早稲田大学大学院の修士課程を終え、音楽の道一本に絞る年でもある。

後の1979年にリリースされた「生まれ来る子供たちのために」と対になるようなフレーズもあり、興味深い1曲である。

1997年、小田和正はシングル「遠い海辺」のカップリングに、同曲をセルフカバーして収録。その際、歌詞が一部改められている。なおこのバージョンは、2001年にリリースされたセルフカバーアルバム「LOOKING BACK」には収録されていない。

また1999年、小田和正をはじめとする複数のアーチストが参加した「21世紀への贈りもの 〜 OFF COURSE Melodies 〜」に、佐藤竹善と塩谷哲のユニット・Salt & Suger がこの曲をカバーしている。

関連記事:
オフコース「SONG IS LOVE」

生まれ来る子供たちのために(小田和正シングル「たしかなこと」カップリング)

オフコース
「SONG IS LOVE」

小田和正「遠い海辺」

「21世紀への贈りもの 〜 OFF COURSE Melodies 〜」
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「自己ベスト・2」収録曲から見える、小田和正の心境の変化〜「ひとりで生きてゆければ」「生まれ来る子供たちのために」「the flag」〜

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