1980年の末頃、オフコース創設以来のメンバーだった鈴木康博が脱退を表明する。
同じく創設以来のメンバーである小田和正は、鈴木のソロ活動とオフコースの活動を平行させる案を鈴木に示すが、鈴木はあくまで脱退によるソロ活動への移行を希望した。
それに対し、小田は「ヤス（鈴木）のいないオフコースは考えられない」として、オフコース解散を提案する。
この頃の小田はオフコース解散後、自身が音楽活動を続けることすら懐疑的であった。
1982年に作られる映像作品「NEXT」では、「オフコースが解散して5年後」の物語を描いているが、その中で小田はゴルファーに転身したことになっているが、ここに小田の心情が反映されている面もある。
1982年7月1日の解散発表が決まったものの、小田をはじめとするメンバーやスタッフの中でオフコース存続を模索する動きが出始め、その解散発表は取り止めとなる。
1983年、オフコースは鈴木を除く小田・松尾一彦・清水仁・大間ジローの4人で活動再開することとなり、鈴木は正式に脱退する。
1984年、東芝EMIのスタッフが独立するかたちで発足した新興レコード会社・ファンハウスから、4人のオフコースはレコードをリリースことになる。
その4人でのオフコースの活動には、「4人がそれぞれソロ活動出来るように力をつける」という目的もあった。
1984・1985年は将来のソロ活動を念頭に置いてオフコースとして活動、1986年はそれぞれがソロ活動をする、という計画も立てられた。
ちなみに1985年には、松任谷由実・小田和正・財津和夫名義で、彼等も参加する「国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW」に向けて、シングル「今だから」をリリースしている。
1986年、小田和正はロサンゼルスに渡る。
小田は以前より海外進出を指向しており、前年にはオフコースの楽曲を英語詞に仕立て直したアルバム「Back Streets of Tokyo」をリリースしていた。
そしてロサンゼルスは、1980年「We are」からレコーディングエンジニアとしてオフコースに関わり、また同級生として小田とも気心知れた友人関係を築いていたビル・シュネー（Bill Schnee）の活動拠点でもあった。
小田はロサンゼルスに生活の拠点を構え、ビルのプロデュースの元、ジェフ・ポーカロ（Jeffrey Porcaro ／ TOTO ／ドラム）、ダン・ハフ（Dann Huff ／ギター）、デヴィッド・ハンゲイト（David Hungate ／ ex.TOTO ／ベース）といった現地の一流ミュージシャンと共に楽曲制作に取り組む。
この楽曲制作を通して、小田はシンセサイザーを本格的に習得する。
小田和正のロサンゼルスでの活動は、アメリカ進出の目処が立たないまま、その年に終わってしまう。
しかし、その活動の成果として1986年11月1日、ファーストソロシングル「1985」がリリースされる。当時はシングルをCDでリリースする音楽環境ではなく、レコード・カセットのみでのリリースであった。
「1985」は当時のロサンゼルスのロックサウンドが濃厚に反映されたサウンドに、離れていった元恋人への思いを綴った歌詞の曲である。作詞・作曲は小田和正、編曲はDann Huff ・小田和正の共同名義となっている。
B面として収録された「哀しみを、そのまゝ」は、作詞・作曲・編曲 小田和正によるアカペラのラブソング。この曲は第一生命『パスポート21』CMソングに起用され、うち「野球編」は小田が演出を担当した。
同年12月には「1985」「哀しみを、そのまゝ」を収録したファーストソロアルバム「K.ODA」がリリースされる。なお、このアルバムの「1985」はシングルとアレンジが一部異なる。
1987年、オフコースは活動を再開する。
同年のツアー「as close as possible OFF COURSE CONCERT TOUR 1987」では、「哀しみを、そのまゝ」が演奏されている。但し、この演奏は映像作品「OFF COURSE CONCERT TOUR 1987 as close as possible」は収録されなかった。
ツアー後、小田和正はセカンドソロアルバムの制作に着手する。
アルバムを作るきっかけは、ビル・シュニーが借金を申し込んだため、その返済資金をつくるためだったという。
アルバムのプロデューサーは小田、副プロデューサーに大間ジロー、ビルやダン・ハフを日本に招き、国内で制作された。そのアルバム制作の中で、小田はロサンゼルスで学んだシンセサイザーでの楽曲制作を復習した面があったという。このレコーディングでプログラミングとして参加した望月英樹は、その後の小田和正の楽曲制作にもプログラミングとして参加することになる。
また旧友・山本潤子（当時ハイ・ファイ・セット）がコーラスを担当している。
1988年3月25日、小田和正セカンドソロアルバム「BETWEEN THE WORD & THE HEART」と共に、セカンドシングル「僕の贈りもの」がリリースされる。この頃、8センチCDが登場したこともあって、レコード・CD・テープでリリースされた。
「僕の贈りもの」は、オフコース初期に小田が作詞・作曲した曲のセルフカバーで、アルバムにも収録されている。ピアノ主体のアレンジが、オフコースのオリジナルと大きく異なる印象を持つ。また、前作のカップリング「哀しみを、そのまゝ」に引き続き、第一生命『パスポート21』のCMソングに起用されている。
カップリング（B面）の「After forever」は、ファーストソロアルバム「K.ODA」収録曲「空が高すぎる」の英語詞バージョンで、作詞はオフコースの英語詞を手がけたことがあるランディ・グッドラム（Randy Goodrum）。明示は、「K.ODA」制作時に作られたトラックとみられる。
ちなみに原曲の「空が高すぎる」はオフコース初期に書かれた曲であるという。また、このトラックは「BETWEEN THE WORD & THE HEART」をはじめとするアルバムには収録されていない。
1991年、小田和正初のソロベストアルバム「Oh! Yeah!」に「1985」が収録。
同年にはCDシングルとして「1985」がリリースされている。
1996年、小田和正のカバーアルバム「LOOKING BACK」に「僕の贈りもの」が収録されるが、このアルバムのために完全新録されたトラックとなった。
2000年、NHK「土曜オアシス」オープニング・テーマとして「哀しみを、そのまま」が起用される。
2016年、小田和正の3枚組ベストアルバム「あの日 あの時」に、「僕の贈りもの」は「LOOKING BACK」のトラックが収録された。
その「あの日 あの時」には「哀しみを、そのまゝ」も収録された。
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NEXT ：
小田和正 Solo Singles 1986〜2021 Part.2 「Little Tokyo」「君に Merry Xmas」「恋は大騒ぎ」
関連記事：
小田和正 「K.ODA」
（アルバム紹介）
小田和正 「BETWEEN THE WORD & THE HEART」
（アルバム紹介）
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as close as possible OFF COURSE CONCERT TOUR 1987
小田和正 「Oh!Yeah!」
（アルバム紹介）
小田和正 ベストアルバム「あの日 あの時」
（アルバム紹介）
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小田和正ソロ初期を彩った第一生命CMソング
同じく創設以来のメンバーである小田和正は、鈴木のソロ活動とオフコースの活動を平行させる案を鈴木に示すが、鈴木はあくまで脱退によるソロ活動への移行を希望した。
それに対し、小田は「ヤス（鈴木）のいないオフコースは考えられない」として、オフコース解散を提案する。
この頃の小田はオフコース解散後、自身が音楽活動を続けることすら懐疑的であった。
1982年に作られる映像作品「NEXT」では、「オフコースが解散して5年後」の物語を描いているが、その中で小田はゴルファーに転身したことになっているが、ここに小田の心情が反映されている面もある。
1982年7月1日の解散発表が決まったものの、小田をはじめとするメンバーやスタッフの中でオフコース存続を模索する動きが出始め、その解散発表は取り止めとなる。
1983年、オフコースは鈴木を除く小田・松尾一彦・清水仁・大間ジローの4人で活動再開することとなり、鈴木は正式に脱退する。
1984年、東芝EMIのスタッフが独立するかたちで発足した新興レコード会社・ファンハウスから、4人のオフコースはレコードをリリースことになる。
その4人でのオフコースの活動には、「4人がそれぞれソロ活動出来るように力をつける」という目的もあった。
1984・1985年は将来のソロ活動を念頭に置いてオフコースとして活動、1986年はそれぞれがソロ活動をする、という計画も立てられた。
ちなみに1985年には、松任谷由実・小田和正・財津和夫名義で、彼等も参加する「国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW」に向けて、シングル「今だから」をリリースしている。
1986年、小田和正はロサンゼルスに渡る。
小田は以前より海外進出を指向しており、前年にはオフコースの楽曲を英語詞に仕立て直したアルバム「Back Streets of Tokyo」をリリースしていた。
そしてロサンゼルスは、1980年「We are」からレコーディングエンジニアとしてオフコースに関わり、また同級生として小田とも気心知れた友人関係を築いていたビル・シュネー（Bill Schnee）の活動拠点でもあった。
小田はロサンゼルスに生活の拠点を構え、ビルのプロデュースの元、ジェフ・ポーカロ（Jeffrey Porcaro ／ TOTO ／ドラム）、ダン・ハフ（Dann Huff ／ギター）、デヴィッド・ハンゲイト（David Hungate ／ ex.TOTO ／ベース）といった現地の一流ミュージシャンと共に楽曲制作に取り組む。
この楽曲制作を通して、小田はシンセサイザーを本格的に習得する。
小田和正のロサンゼルスでの活動は、アメリカ進出の目処が立たないまま、その年に終わってしまう。
しかし、その活動の成果として1986年11月1日、ファーストソロシングル「1985」がリリースされる。当時はシングルをCDでリリースする音楽環境ではなく、レコード・カセットのみでのリリースであった。
「1985」は当時のロサンゼルスのロックサウンドが濃厚に反映されたサウンドに、離れていった元恋人への思いを綴った歌詞の曲である。作詞・作曲は小田和正、編曲はDann Huff ・小田和正の共同名義となっている。
B面として収録された「哀しみを、そのまゝ」は、作詞・作曲・編曲 小田和正によるアカペラのラブソング。この曲は第一生命『パスポート21』CMソングに起用され、うち「野球編」は小田が演出を担当した。
同年12月には「1985」「哀しみを、そのまゝ」を収録したファーストソロアルバム「K.ODA」がリリースされる。なお、このアルバムの「1985」はシングルとアレンジが一部異なる。
1987年、オフコースは活動を再開する。
同年のツアー「as close as possible OFF COURSE CONCERT TOUR 1987」では、「哀しみを、そのまゝ」が演奏されている。但し、この演奏は映像作品「OFF COURSE CONCERT TOUR 1987 as close as possible」は収録されなかった。
ツアー後、小田和正はセカンドソロアルバムの制作に着手する。
アルバムを作るきっかけは、ビル・シュニーが借金を申し込んだため、その返済資金をつくるためだったという。
アルバムのプロデューサーは小田、副プロデューサーに大間ジロー、ビルやダン・ハフを日本に招き、国内で制作された。そのアルバム制作の中で、小田はロサンゼルスで学んだシンセサイザーでの楽曲制作を復習した面があったという。このレコーディングでプログラミングとして参加した望月英樹は、その後の小田和正の楽曲制作にもプログラミングとして参加することになる。
また旧友・山本潤子（当時ハイ・ファイ・セット）がコーラスを担当している。
1988年3月25日、小田和正セカンドソロアルバム「BETWEEN THE WORD & THE HEART」と共に、セカンドシングル「僕の贈りもの」がリリースされる。この頃、8センチCDが登場したこともあって、レコード・CD・テープでリリースされた。
「僕の贈りもの」は、オフコース初期に小田が作詞・作曲した曲のセルフカバーで、アルバムにも収録されている。ピアノ主体のアレンジが、オフコースのオリジナルと大きく異なる印象を持つ。また、前作のカップリング「哀しみを、そのまゝ」に引き続き、第一生命『パスポート21』のCMソングに起用されている。
カップリング（B面）の「After forever」は、ファーストソロアルバム「K.ODA」収録曲「空が高すぎる」の英語詞バージョンで、作詞はオフコースの英語詞を手がけたことがあるランディ・グッドラム（Randy Goodrum）。明示は、「K.ODA」制作時に作られたトラックとみられる。
ちなみに原曲の「空が高すぎる」はオフコース初期に書かれた曲であるという。また、このトラックは「BETWEEN THE WORD & THE HEART」をはじめとするアルバムには収録されていない。
1991年、小田和正初のソロベストアルバム「Oh! Yeah!」に「1985」が収録。
同年にはCDシングルとして「1985」がリリースされている。
1996年、小田和正のカバーアルバム「LOOKING BACK」に「僕の贈りもの」が収録されるが、このアルバムのために完全新録されたトラックとなった。
2000年、NHK「土曜オアシス」オープニング・テーマとして「哀しみを、そのまま」が起用される。
2016年、小田和正の3枚組ベストアルバム「あの日 あの時」に、「僕の贈りもの」は「LOOKING BACK」のトラックが収録された。
その「あの日 あの時」には「哀しみを、そのまゝ」も収録された。
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as close as possible OFF COURSE CONCERT TOUR 1987
小田和正 「Oh!Yeah!」
（アルバム紹介）
小田和正 ベストアルバム「あの日 あの時」
（アルバム紹介）
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小田和正ソロ初期を彩った第一生命CMソング
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